今日はYahooニュースから、
ちょっと自分が気になったニュースを転載します。
「「正直お手上げですよ」。頭を抱えるのは、対韓政策に精通する外務省の中堅官僚だ。韓国の朴槿恵(パククネ)大統領が対日批判をエスカレートさせ、安倍晋三首相との日韓首脳会談を拒否している。韓国国内では「日韓冷戦」が経済にも悪影響を及ぼし始めており、韓国メディアにも朴氏に翻意を求める論調が目立つようになった。だが、反日を人気取りに使う朴政権は拳を振り下ろそうとせず、事務レベルでも風当たりは強まる一方。緊張が諦めに変わりつつある舞台裏に迫ってみると・・。
「韓国に対し、日本はどの『ホトトギス』で臨めばいいでしょうかね」
東京・虎ノ門のもつ鍋屋で、先の中堅官僚氏は白濁スープをすすりながらため息をついた。
「ホトトギス」とは、「鳴かぬなら『殺してしまえ』(織田信長)『鳴かせてみせよう』(豊臣秀吉)『鳴くまで待とう』」(徳川家康)という3武将をたとえた有名なフレーズだ。
「今年夏頃までは『鳴かせてみせよう』という気持ちが強かったが、今では完全に『鳴くまで待とう』だね。9月の日韓外相会談以降は、堅調なやりとりを続けていた事務レベルも冷たくなった」
朴氏からの締め付けが厳しいのか、対日政策で韓国の事務方の裁量が狭まっている印象を受けるというのだ。
ニンニクとニラたっぷりのもつ鍋は、体を芯から温める。スタミナ付けて、元気出してくださいよ。
「9月にニューヨークで開いた日韓外相会談は、実に険悪な雰囲気だった。韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相は慰安婦問題など安倍政権の歴史認識を執拗(しつよう)に取り上げ、穏健な岸田文雄外相と激しく言い争う場面もあった」
尹氏は会談で、用意したペーパーに目を落とすことが多かったという。あらかじめ朴氏と打ち合わせた対日姿勢から踏み出さないという意志を感じたそうだ。
日韓は当面、外相会談すら難しそうな雰囲気だ。11日からインドでアジア欧州外相会議(ASEM)が開かれ、岸田・尹両氏が席を並べるが、別の外務省幹部は「日本側から個別会談を呼びかけていないし、韓国側からの求めもない」とあっさり話す。「9月の外相会談の様子を踏まえれば、今無理に会ってもあまり意味がない」(同)と判断しているのだ。
朴氏は4日放送の英BBC放送(電子版)とのインタビューで慰安婦問題を取り上げ、「(日本の)一部の指導者が謝罪する考えもなく、苦痛を受けた方々を侮辱し続ける状況では(会談しても)ひとつも得られるものはない」と強調。「問題があるときこそ会うべきだ」という安倍晋三首相の求めを一蹴してみせた。
2月に就任して8カ月あまり過ぎるのに、朴氏の反日批判は激しくなる一方だ。韓国の歴代政権は支持率がかげり始める政権後期に「反日」を始めるケースが多いが、「発足時から反日モード全開というのは記憶がない」(中堅官僚氏)と異様さが目立っている。
冷静に分析すると、安倍氏は首相に就任した昨年12月以降、慰安婦問題で特別な政策変更はしていない。内心はともかく河野談話は引き継ぐ意向を示し、「筆舌に尽くしがたいつらい思いをされた方々を思うと、非常に心が痛む。私の思いは歴代首相と変わらない」と繰り返し述べている。
韓国が神経を尖らせる靖国神社の参拝も、8月の終戦記念日と10月の秋の例大祭の機会を見送った。これまでの首相の立場からすれば、国内の支持層から相応の批判を受けることを覚悟してのことだ。
なぜ朴氏はこれほど反日にこだわるのか。中堅官僚氏は締めのラーメンを頼んだ後、「経済成長の鈍化と中国、感情に流されやすい風土という3つの理由があるね」と語り出した。
韓国経済は政府が目指していた「2013年国民総生産(GDP)の2・7%成長」という目標は達成できない見通しが強まっている。今年4月から回復傾向は出ているものの、ドル安ウオン高の流れが止まらず民間の設備投資は伸び悩み。若者の失業率も高い。
これに呼応するように、朴氏の支持率も低下傾向だ。韓国ギャラップ社が今月1日公表した世論調査では、朴氏の10月最終週の支持率は53%で、9月第2週の67%からは14ポイントも下がった。
経済失策の理由に、朴氏があまりにも中国を重視しすぎたという指摘がある。朴政権が6月に発表した今後の経済指針を示す「新通商ロードマップ」では、韓中の自由貿易協定(FTA)を最優先に取り組む考えが示された。日米が主導する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)とは距離を置き、「韓国は(中国が主導する)東アジア包括的地域経済連携(RCEP)とTPPの架け橋になる」とうたっている。
ただ頼みの中国経済も退潮傾向が強く、国有企業などの構造改革もままならないままだ。この間にTPP交渉は進展。国別額で世界最多をほこる日本からの対韓投資が、TPPに参加する他の東南アジア諸国に流出する危機が現実味を帯びている。
まずいと思ったのか、韓国政府高官は10月「いずれTPPに参加する」と方針転換。ただ、7月に参加した日本ですら「乗り遅れ」などと揶揄(やゆ)されただけに、韓国が周回遅れで参加しても、できあがった枠組みを丸飲みさせられる可能性が高く、交渉参加へのハードルは高い。
少しずつ歯車が狂う朴政権。反日一辺倒だった韓国メディアにも、ここへ来て日本との対話を促す論評が目立ち始めている。
中央日報は10月17日、「嫌な人とも対話しなければならない」との表題で「日本に根源的な責任があるにはあり、記者としてのタブーではあるが、日韓間に対話が必要だと書くしかない」と強調。朝鮮日報は同月15日、「国家の指導者なら、時には国民感情を超えて未来をみなければならない」と述べたうえで「朴氏が日本との関係を、国内の人気の手段や国内政治の延長にしない成熟さをみせる機会だ」と踏み込んだ。
水内が大学時代に知り合ったソウルの友人は、「大統領は国内のネット世論を気にしすぎている」と話す。
友人は商社勤務のごく普通のサラリーマン。「ネットは極端な反日感情が目立つが、普段の生活で日本との往来が減った感覚はないし、安倍首相が急に反韓に転じた印象も受けない」と冷静だ。「右傾化・再武装」などと批判を受ける集団的自衛権の行使容認論も、「見方によっては北朝鮮情勢が緊迫した際、韓国にとって利益となる可能性もある」と受け止める。友人が世論をすべて代弁しているとは思わないが、冷めた見方も結構あるのだ。
日本叩きが支持率上昇のカンフル剤として使える時期も、そう長くは続かないのでないか。先の中堅官僚氏は、ラーメンをうまそうにすすりながらつぶやく。
「本音をいえば、韓国と無理に対話しなくても、今の日本が困ることはほとんどない。どれだけ謝っても、どれだけお金を出しても『まだないのか』と手を出してくる相手を信じられますか。割と冷静にビジネスの話ができる中国との差は大きいですよ」
うーん、こりゃ重傷だ。水内が「今度カムジャタン(じゃがいもと豚の背骨鍋)を食べにいきましょうよ」と誘うと、中堅官僚氏は「いや、おいしいインド料理店を見つけたんですよ」と目を輝かせるのだった。(水内茂幸)」
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